BlenderとProcreateを使って、漫画のエフェクトを作る方法を紹介します。漫画のエフェクトとは、キャラクターの動きや感情、シーンの雰囲気を表現するために使われる、炎や雷、光などの効果のことです。Blenderは無料の3DCGソフトで、ProcreateはiPad用のお絵かきアプリです。この二つを組み合わせることで、簡単に漫画のエフェクトを作ることができます。
特にデジタル漫画やWebtoon(縦漫画)はカラー化する傾向にあり、作業効率をあげるためにも3DCGを活用するのは有効な手段となり得ます。
BlenderとProcreateのメリット
Blenderは無料で使える3DCGソフトで、物理シミュレーションやパーティクルアニメーションなどを使って、リアルなエフェクトを作ることができます 。また、実写合成(VFX)の機能も充実しているので、実写映像にCGエフェクトを重ねることもできます。Blenderで作ったエフェクトは、レンダリングして静止画や動画として出力することができます。
ProcreateはiPad用のペイントアプリで、手書き感やアニメ調の表現が得意です。レイヤーやブラシなどの機能が豊富で、簡単に描くことができます。また、動画録画やタイムラプスなどの機能もあります。Procreateで描いた絵は、PSDやPNGなどの形式で出力することができます。
BlenderとProcreateを組み合わせることで、以下のようなメリットがあります。
- Blenderで作ったリアルなエフェクトをProcreateで手描き風に加工することで、漫画に馴染むようにすることができます。
- Procreateで描いたキャラクターや背景にBlenderで作ったエフェクトを重ねることで、迫力や動きを表現することができます。
- BlenderとProcreateのデータを相互にやり取りすることで、細かい調整や修正をすることができます。
Blenderで書き出してProcreateまで持っていく手順
ざっくりとした手順解説です。今回は超初級としているのでかなり細かく説明するつもりですが過不足あればご教授頂ければ嬉しいです。
ベースとなる漫画を作画する
ベースとなる漫画を最初につくります。
理由は Blenderでエフェクトを作る際に画角といってどの程度のサイズまで作ればいいのか事前にわかっていると無駄がないからです。
Procreateで、漫画をつくる手順は以下にまとめてあります。
エフェクトを入れたいコマを透過して書き出す
漫画のベースが完成したらエフェクトを入れたいコマを透過させてPNGで書き出します。
Blenderで平面メッシュをつくり漫画素材を貼る
平面メッシュであれば、漫画をそのままの画角でシュミレートできます。
Blenderでエフェクトを生成する
Blenderでエフェクトのベースを作ります。Blenderには、流体シミュレーションやパーティクルシステムなど、さまざまなエフェクトを作る機能があります。例えば、炎や煙は流体シミュレーションで作ることができます。雷や光線はプロシージャルシェーダーで作ることができます。これらの機能を使って、自分の好きなエフェクトを作りましょう。
では、具体的にBlenderで漫画のエフェクトを作る手順を見ていきましょう。今回は例として、「雷」のエフェクトを作ってみます。
- 新しいシーンを作成し、デフォルトのキューブを削除します。
- Shift+Aでメッシュを追加し、プレーンを選択します。プレーンをZ軸方向に少し上に移動します。
- プレーンを選択した状態で、パーティクルタブに移動します。新しいパーティクルシステムを追加し、タイプをヘアに変更します。
- パーティクルの数を1000に設定し、物理演算の力/ブラウン運動の数値を上げて長さをランダムにします。重力を無効にし、ブラウン運動とカールを有効にします。これで、プレーンからランダムな方向に伸びるヘアが作られます。
- マテリアルタブに移動し、新しいマテリアルを追加します。サーフェスを放射に変更し、色を白に、強度を10に設定します。これで、ヘアが発光するようになります。
- ノードエディタを開き、マテリアルのノードを編集します。エミッションノードの入力に、ノイズテクスチャノードとカラーランプノードを接続します。ノイズテクスチャノードのスケールを5に、詳細度を16に設定します。カラーランプノードのカラーストップを調整して、白と青のグラデーションにします。これで、ヘアの色がランダムに変化するようになります。
- エミッションノードの出力に、ブラーノードとグレアノードを接続します。ブラーノードのサイズを5に設定します。グレアノードのタイプをフォググロウに変更し、しきい値を0.8に設定します。これで、ヘアがぼやけて光るようになります。
- カメラとライトを適切な位置に配置し、レンダリングしてみましょう。雷のエフェクトが完成です。
Procreateで合成する
次に、Procreateでエフェクトを仕上げます。Blenderで作ったエフェクトをレンダリングして画像ファイルにします。その画像ファイルをProcreateにインポートして、レイヤーに貼り付けます。Procreateには、ブラシや色調補正など、さまざまなお絵かきツールがあります。これらのツールを使って、エフェクトにセルルックやアニメ調の質感を与えましょう。
まとめ
以上が、BlenderとProcreateを使って漫画のエフェクトを作る方法です。この方法は、3DCGと手描きのメリットを活かしたものです。3DCGは立体感や動きを表現するのに向いていますが、手描きは質感や表情を表現するのに向いています。この二つを組み合わせることで、より魅力的な漫画のエフェクトを作ることができます。