ジェネレーティブAIが活気づいてきました。実際にイラストを生成してprocreateで使用する方法と、その活用ワークフローを紹介します。ちなみにこの記事のサムネイラストもジェネレーティブAIで作画したものです。
Leonardo.aiという生成AIで生成しました。Leonardo.aiについては以下の記事で紹介しています。
ProcreateにおけるジェネレーティブAIの使用方法について
まず現時点(2023年5月)で、 Procreate単独でAI(人工知能)に直接イラストを描かせる機能は実装されていません。将来的には実装されるかもしれませんが、その際は改めて記事をリライトします。
この記事では、AIに生成させたイラストをProcreateで活用する方法にフォーカスしています。
そもそもジェネレーティブAIとは?
イラスト作成するジェネレーティブAIとは、画像やテキストなどのデータを入力すると、その内容に応じてAIがオリジナルのイラストを生成するシステムです。ジェネレーティブAIは、AIが自ら答えを探して学習する「ディープラーニング(深層学習)」を用いて構築された機械学習モデルであり、AIの中では比較的新しく生まれたモデルです。
ジェネレーティブAIには、さまざまな種類がありますが、イラスト作成に関しては主に以下の3つの種類があります。
- 画像生成系AI:画像やテキストを入力すると、その内容に応じて新しい画像を生成するAIです。例えば、「Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)」は、英単語でイメージを入力すると、それに沿った画像を生成できるAIです。
- テキスト生成系AI:テキストを入力すると、その内容に応じて新しいテキストを生成するAIです。例えば今話題の、「ChatGPT」は、質問や要望などのテキストを入力すると、それに対して回答や提案などのテキストを生成できるAIです。
- 動画生成系AI:動画やテキストを入力すると、その内容に応じて新しい動画を生成するAIです。例えば、「Gen-1」は、動画を入力すると、その動画の特徴を持った別の動画を生成できるAIです。
ジェネレーティブAIに期待できる事
これらのジェネレーティブAIは、イラスト作成において多くのメリットが期待できる技術です。例えば、
- イラスト作成にかかる時間やコストを削減できる
- イラスト作成に必要なスキルや経験がなくてもイメージしたイラストが描けてしまう
- イラスト作成におけるアイデアに煮詰まった時に助けてくれる
- イラスト作成におけるバリエーションを増やせる
などが挙げられます。
便利なだけでなく使用する際には注意が必要
ただし、AIは便利ですが著作権に関する法的な問題やリスクに注意する必要があります。
著作権とは、テキストや音楽、映像などの著作物を創作した者が、その著作物に対して享受する権利のことです。著作権者は、自らが創作した著作物を利用・公表できる権利を有し、第三者が無断でその著作物を利用した場合には、著作権侵害として救済措置を受けることができます。
ジェネレーティブAIによるイラストの生成においては、主に以下の2つの問題が考えられます。
- ジェネレーティブAIが生成したイラストは、著作権保護の対象となるのか?
- ジェネレーティブAIが他者の著作物を無断で学習・利用した場合、著作権侵害に当たるのか?
これらの問題については、現在も明確な法的枠組みが整っておらず、議論や検討が進められています。一般的には、以下のような見解が示されています。
- ジェネレーティブAIが生成したイラストは、人間の創造性の結果ではないため、著作権保護の要件に該当しないという見方が強いです。しかし、人間がジェネレーティブAIを道具として使い、創作過程において「創作的寄与」(例えば、生成結果からの選択・修正など)を行った場合には、その人間が著作者として権利を発生させることができる可能性があります。
- ジェネレーティブAIが他者の著作物を無断で学習・利用した場合は、その他者の著作権を侵害する恐れがあります。特に、ジェネレーティブAIが既存のイラストやアートなどをそのままコピーしたり、類似させたりした場合には、表現上の類似性から判断される「二次的著作物」や「模倣」に該当する可能性が高くなります。
なので、今後の動向を注視しながら活用していく必要があります。
ProcreateとジェネレーティブAIを連携させる方法5選
これらの機能は、procreateとAIを連携させることで実現できます。具体的には、以下のような方法があります。
- procreateで描いたスケッチをAIに送信し、着色結果をprocreateに戻す
- procreateで撮影した写真をAIに送信し、イラスト風に変換した結果をprocreateに戻す
- procreateで描いたキャラクターをAIに送信し、ポーズや表情を変えた結果をprocreateに戻す
- AIで生成したブラシやパレットをprocreateにインポートする
- procreateで描いたイラストをAIに送信し、スタイルや雰囲気を変えた結果をprocreateに戻す
これらの方法は、いずれも専用のアプリやウェブサイトを利用することで簡単に行うことができます。例えば、以下のようなAIサービスがあります。
- PaintsChainer: スケッチから自動的に着色するサービス
- Toonify: 写真からイラスト風に変換するサービス
- Artbreeder: キャラクターのポーズや表情を自在に変えるサービス
- AI Brushes: AIで生成したブラシやパレットを提供するサービス
- Artify: イラストのスタイルや雰囲気を変えるサービス
これらとprocreateと連携することで、イラスト制作の作業効率やクオリティを向上させたり、オリジナリティや創造の拡張を手伝ってくれる可能性があります。
きたくいなBlogは最近更新をしていませんでしたが、期間限定でジェネレーティブAIについての情報も今後発信していく予定です。